短編童話

恥ずかしがり屋のパティ

  • 著:funyara9(滝川雅晴)
  • 作成日:2008/11/17

本編

 女の子のパティは、とても恥ずかしがり屋でした。

 ある日、お友達のライラライが、パティの家にやってきました。

「ねえ、みんなで食べに行こうよ」
「・・・」
「行くよ!」

 ライラライは、パティの手を取りました。
 パティは下を向いて、だまってライラライについて行きました。

 店に着くと、ライラライのお友達がたくさん来ておりました。

「ライラライ、お久しぶり!」
「お久しぶりね!あら、ポコったら、ちょっと素敵な髪型じゃない!」
「アハハ、そう?ありがとう!」


 パティはコップをずっと口につけながら、みんなの話を聞いていました。

「ねえパティ。最近何か、おもしろい事はあった?」

 パティは顔を真っ赤にしながら言いました。

「・・・別に、何もないわ」

「アハハ、パティに聞くのが間違いよ。この子、何もしゃべらないんだから」

 それから、パティは下を向いて、だまってみんなの話を聞いていました。
 ライラライは、パティの背中を触って言いました。

「パティ、気にしなくてもいいのよ。そのうち慣れるから」


 パティは家に帰ると、おふとんの中で泣いておりました。

『私はなんにも魅力がない子。もうみんなで食べになんか、行きたくないわ』

 ひと月が過ぎた頃、お友達のライラライが、パティの家にやってきました。

「ねえ、みんなで食べに行こうよ」
「・・・」
「行くよ!」

 ライラライは、パティの手を取りました。
 パティは手をほどいて、首を横に振りました。

「パティ、どうしたの?元気がないわね。具合が悪いの?」

 パティは首を縦に振りました。

「そう、わかったわ。じゃあね」

 ライラライは、そう言うと去って行きました。


 ある日の朝、パティは目が覚めると、小鳥が窓に止まっておりました。

『あら、かわいい小鳥だこと』

 パティは、小鳥に向かってそっと手を伸ばしました。

『パタパタパタ・・・』

 小鳥は窓から飛び去って行きました。
 小鳥は森に向かって飛んで行きました。

 パティは小鳥に会いたくなって、家を出ると森に行きました。

『あら、見つけた!』

 小鳥はつがいになって、巣の周りを飛んでおりました。
 巣には二匹のひなが鳴いておりました。

 パティはうれしくなって、じっと小鳥と巣のひなを見つめておりました。


 次の日、パティはまた森に行きました。

『あら、見つけた!』

 パティはうれしくなって、じっと小鳥と巣のひなを見つめておりました。

 すると、見知らぬ男の子が近づいてきました。

 パティはびっくりして、逃げようとしました。

 男の子は、パティに手紙を渡しました。

 パティはさらにびっくりして、家に逃げて帰りました。


 家に帰ると、パティはおそるおそる、手紙を開けました。

 開けると、二枚の紙が入っておりました。

 一枚目の紙には、小鳥を見ているパティの絵が描かれておりました。

 二枚目の紙には、字が書かれておりました。

『突然のお手紙をお許し下さい。
 僕の名前はタタ。
 あなたを森で見かけて、お友達になりたいと思いました。
 よかったら、お友達になってくれるとうれしいです。
 タタより』


 次の日、パティは家を出ると、おそるおそる森に向かいました。

 パティは小鳥の巣のそばに来ると、あたりを見渡しました。

 すると、タタが歩いてやってきました。

 パティはびっくりして、逃げようとしました。

 タタはにっこりと笑って、パティに手を振りました。

 パティはそれを見て、立ち止まりました。

 パティはタタに言いました。

「・・・私は別に、おもしろくない子よ」


 タタは、ポケットから紙を出すと、何かを書いてパティに渡しました。

『僕は生まれつき、声が出ません。
 こんな僕でよかったら、お友達になってくれるとうれしいです。
 あなたの名前は?』

 パティは少し驚いて、タタに言いました。

「・・・私の名はパティ。でも、どうして私なんかと?」

 タタは、紙に書いてパティに渡しました。

『ありのままのあなたを見て、とても素敵と思いました』

 パティは顔を真っ赤にして、タタに言いました。

「そんな・・・ 私はとても恥ずかしがり屋で、みんなからは、つまらない子と思われているのよ」

 タタは、紙に書いてパティに渡しました。

『そんな所も、とても素敵です』

 それから、パティとタタはとても仲良しになりました。


 ひと月が過ぎた頃、お友達のライラライが、パティの家にやってきました。

「ねえ、みんなで食べに行こうよ」
「あら、ライラライ!ええ、行くわ!」

 ライラライは、びっくりしてパティに言いました。

「あなた、いつもと違うわね」

 店に着くと、ライラライのお友達がたくさん来ておりました。

「ライラライ、お久しぶり!」
「あら、パティ!どうしたの?素敵な髪型じゃない!」

 パティはにこにこしながら、みんなに話しました。

「これはね、ボーイフレンドのタタに整えてもらったのよ」

「まあ、パティったら、いつの間に!やるわねえ、アハハ」
「ねえ、今度タタを連れて来てもいい?」
「もちろんよ!見たい見たい!」
「ねえ、どうやって知り合ったの?」

 この日は、パティが主役でした。

 それから、パティはいつの間にか、恥ずかしがり屋ではなくなりました。

≪完≫

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Last-modified: 2008-11-17 (月) 05:37:08 (3679d)

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